結婚指輪の「ミル打ち」について
結婚指輪を選ぶときに「ミル打ち」という言葉を聞くことがありますが、初めて耳にしたという方も多くいます。
婚約指輪や結婚指輪のアレンジデザインである「ミル打ち」は指輪を彩るデザイン性が高いだけでなく、古代ヨーロッパのジュエリーにも施されている歴史あるものです。
ここでは「ミル打ち」とはどのようなものなのか、またその効果についてご紹介します。
「ミル打ち」について
ミル打ちとは、婚約指輪や結婚指輪の地金のエッジ部分やライン部分に小さな丸い粒を連続して打刻していく装飾技法です。
欧米の歴史ある美術館に展示されているアンティークジュエリーにもミル打ちが施されており、ヨーロッパで古くから伝わる装飾技法の一つと言われています。
ミル打ちの「ミル」はラテン語のミルグレインのことで、千の粒を意味しています。
千には永遠、子宝、長寿という縁起の良い意味がありますので、婚約指輪や結婚指輪の装飾に使われています。
この技法は小さな丸い粒を美しく均等に打刻するのですが地金が硬い金属に一定の幅、大きさ、深さで均等な丸みを作り出すのは至難の業であり、熟練者の技術が必要になります。
ミル打ちの効果について
指輪にミル打ちを施すことで上品でクラシカルなデザインになるだけでなく、小さな丸い粒がダイヤモンドのような輝きを放ちますのでゴージャスさも増します。
結婚指輪は毎日身に付けるものですので生活のなかで傷がついてしまうこともあります。
シンプルで装飾のないデザインだと少しの傷でも目立つことがありますが、ミル打ちによってフラットな面が少なくなるため傷がついたとしても目立ちにくいメリットもあります。
また長年使用してもヨーロッパのクラシカルな建築物同様、伝統的かつ独特の風合いを生み出して立体感のある美しさを保ってくれます。
ミル打ちは型を用いて加工することもできますが均等で美しい粒を作ることは難しいので、熟練した職人の手によって一粒ずつ丁寧に刻むことをおすすめします。
この記事の監修者
中込 早苗(Sanae Nakagomi)
ウェディングプランナー歴20年
アシスタント・ブライダルプランナー(ABP)資格所有
結婚は人生にとって大きな分岐点。嬉しいことばかりではなく、時には悩むこともあると思います。そんな時に当サイトが少しでもお役に立てればと思います。